メタバースってセカンドライフとどう違うの?セカンドライフの二の舞にならないのかな……
今回は、こんな疑問にお答えしていきます。
2021年に『Facebook(フェイスブック)』が社名を『Meta(メタ)』に変更するなど、メタバースに注目が集まっています。
メタバースが期待される中、「メタバースとセカンドライフの違いって何?」と疑問をお持ちの方もいると思います。
そこで、この記事では、メタバースとセカンドライフの違いに焦点を当てて解説していきます。
メタバースとセカンドライフの違い
メタバースとセカンドライフは登場した時代が違います。
2003年にLinden Lab(リンデン ラボ)という会社がリリースした「セカンドライフ」では、3Dの仮想空間で商品を売買してゲーム内通貨を稼ぐことができました。
「セカンドライフ」は2006年にユーザー数が100万人を突破して話題になりました。
一方で、メタバースという言葉が注目され始めたのは2021年ごろからです。
Facebookがmetaに社名を変更し、メタバースに多額の投資を始めたことが、メタバースという言葉を有名にするのに一役買いました。
メタバースとセカンドライフの比較をしてみましょう。
メタバースとセカンドライフの比較
項目 | メタバース | セカンドライフ |
登場時期 | 2021年〜 | 2003年〜 |
デバイス | パソコン・スマホ・VRデバイス | パソコンのみ |
ユーザー同士のコミュニケーション | ○ | ○ |
イベント参加 | ○ | ○ |
アバターのカスタマイズ | ○ | ○ |
建築物などの作成 | ○ | ○ |
土地やアイテムの取引 | ○ | ○ |
企業の参入 | ○ | ○ |
上記は、メタバースとセカンドライフを比較したものですが、できることは基本的に変わりません。
ただし、スマホやVRデバイスの登場など、状況は違っています。
メタバースとセカンドライフは同じなの?
できることが変わらないなら、メタバース=セカンドライフってこと?
できることは同じですが、メタバース=セカンドライフではありません。
なぜなら、メタバースは、特定のプラットフォーム・ゲーム・サービスのことではないからです。
メタバースは、ユーザー同士が交流やイベントを楽しんだり、経済活動が行われるインターネット上の仮想空間全般を指します。
つまり、メタバース=セカンドライフではなく、セカンドライフはメタバースの1つということです。
メタバースの特徴などを詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
>>【体験する?】メタバースのやり方・始め方[プラットフォームも紹介]
メタバースで遊ぶことでお金を稼げるのも、メタバースの特徴の1つです。
>>メタバースで稼ぐには?メタバースの稼ぎ方を紹介[初心者でも大丈夫]
メタバースでお金を稼ぐおすすめの方法[副業可]を解説している記事もあるので、興味がある方はご覧ください。
メタバースには他にどんなものがあるの?
セカンドライフ以外にもメタバースはいろいろあります。
例えば、『The Sandbox(サンドボックス)』や『Decentraland(ディセントラランド)』というメタバースのNFTゲーム・プラットフォームがあります。
この2つは時価総額が高く人気のあるメタバースです。
ブロックチェーンを活用したメタバースだけでも様々なものがあります。
さらに非ブロックチェーン系メタバースの『Cluster』『VRChat』なども含めると、メタバースのプラットフォームは乱立しています。
多様なメタバースが次々に誕生しているということは、それだけメタバースが注目されているということです。
実際に、市場規模が100兆円を超えると予想している企業もあります。
例えば、マッキンゼー・アンド・カンパニーは、今後の市場規模が5兆ドルになる可能性があると予想しています。
セカンドライフが廃れた理由
セカンドライフ(SecondLife)は、2007年に流行のピークをむかえ、その後は廃れていきました。
セカンドライフが廃れた理由には次のようなものがあります。
- 求められるパソコンのスペックが高かったから
- 大勢のユーザーが集まって楽しめるイベントがなかったから
求められるパソコンのスペックが高かったから
セカンドライフ内を快適に楽しむには、高スペックのパソコンが必要でした。
今と比べるとパソコンのスペックは低く、高スペックのパソコンは価格が高いため、誰でも参加しやすい環境ではなかったのが1つの原因です。
グラフィックの不具合などがあると楽しむのに支障があるな……
大勢のユーザーが集まって楽しめるイベントがなかったから
また、セカンドライフ内で大勢のユーザーが集まって楽しめるイベントがなかったというのも関係しています。
セカンドライフはあくまで仮想空間という場所なので、そこで楽しめるコンテンツが充実していないとユーザーの足は遠のいてしまいます。
今はユーザーもコンテンツを作りやすい環境が整っているけど、当時はそうでもなかったしなあ……
ちなみに、セカンドライフはサービスを継続しており、登録者数は数千万人、デイリーアクティブユーザーも10万人を超えています。
人気のメタバースゲームやSNSに比べると利用者数は少ないですが、なくなってしまったわけではありません。
メタバースを支えるテクノロジーの発達
セカンドライフはメタバースの1つですが、セカンドライフと今注目されているメタバースでは、使われているテクノロジーが違います。
特に重要なものが、以下の5つです。
上記4つのテクノロジーの発達により、メタバースはセカンドライフが流行した時代から大きくパワーアップしています。
①ブロックチェーン
ブロックチェーン技術により、ネットワーク上の台帳に取引履歴などを記録することができ、銀行などの中央管理者がいなくても通貨のやり取りができるようになりました。
ブロックチェーン技術は、仮想通貨(暗号資産)やNFTで利用されていて、データの改ざんが難しいといった特徴があります。
②仮想通貨(暗号資産)
仮想通貨(暗号資産)は、銀行などを使わずにユーザー同士がお金をやり取りできるだけでなく、送金が早いといった特徴があります。
海外に送金する場合も、銀行を利用するよりはるかに短い時間で送金できます。
また、メタバース内で稼いだ通貨を日本円などの通貨に簡単に換金できるのも特徴です。
③NFT
NFTは、Non Fungible Tokenの略で、デジタルデータに唯一無二の価値を持たせることができる技術です。
NFT技術により、デジタルデータの価値を担保できるようになりました。
メタバース内のアイテム1つ1つが現実世界のように独自に価値を持つことで、メタバース内の土地を所有したりできます。
メタバースの土地(NFT)を使うことで、様々な稼ぎ方もできます。
④3D技術
また、セカンドライフが普及した時代に比べ、3D技術も大きく発達しています。
例えば下の動画を見てみてください。注目されているメタバースの1つ『Bloktopia』の動画です。
3D技術の進歩により、よりリアリティのある仮想空間を作れるようになったのもメタバースの今後に期待できるポイントです。
『BLOKTOPIA』について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
>>【ステーキングも解説】BLOKTOPIA(ブロックトピア)の特徴・買い方は?
⑤VR技術
VR技術もメタバースの普及に関わってきます。
VRデバイスは、VR酔いや解像度、つけ心地の問題など、広く普及するには様々な課題を抱えてはいるものの、テクノロジーは着実に進歩しています。
バーチャルリアリティ(VR)ヘッドセットの世界市場は着実に伸びており、2021年の出荷台数は、世界で1,000万台を超えています。
メタバース普及への課題
メタバースで使われている技術を紹介しましたが、普及に向けての課題はあります。
その1つがVRデバイスです。
現実世界のようにメタバースを楽しむためには、没入感が必要になります。
そして、パソコンやスマホの画面でメタバースを遊んでいるだけでは、満足な没入感は得られません。
一方で、現在のVRデバイスは大きくて重いというデメリットがあります。
ただし、VRデバイスの改良が進むと、将来的には価格も手ごろになり、軽くて身につけやすくなると考えられます。
『Meta(旧:Facebook)』などの有名企業も開発を進めています。
今はVRデバイスをつけるという習慣がないため普及が進みにくい状況ですが、
- メガネのように簡単に身につけられる
- 教育などの分野での普及が進み、子どもにとってVRデバイスが身近になる
上記のような変化が起こっていくことで、少しずつ身近なものになっていくことが予想されます。
メタバースはセカンドライフの二の舞になる?
セカンドライフの注目度の高まりとそこからの衰退を知っている人の中には、「メタバースも今は流行っているけど、いずれは廃れるだろう」と予想している人もいます。
メタバースが将来的にどの程度普及するかは分かりません。
しかし、メタバースはセカンドライフが流行した時代に比べて大きく進歩したテクノロジーによって支えられています。
スマホやパソコンの普及にともない、人々の意識も大きく変わっています。
具体的には、次のような点です。
- SNSなどインターネット上での交流の一般化
- Amazonの利用など、インターネット上での購買活動の普及
SNSなどインターネット上での交流の一般化
スマートフォンの急速な普及により、SNSは非常に身近なものになっています。
会ったことのない人とSNS上で交流したり、日常的にSNSで友人と連絡を取り合うのは当たり前になりました。
Amazonの利用など、インターネット上での購買活動の普及
また、インターネット上で物を購入するのが当たり前になっていることも大きな変化です。
総務省のデータを見ると、普段利用しているサービスで「インターネットショッピング」と回答している人は70%以上です。
セカンドライフの時代と比べると、インターネットを活用して過ごすことが一般的になり、テクノロジーも発達しているため、状況が大きく異なっています。
状況の変化を踏まえると、メタバースの人気が一時的なものではなく、長期的に続くことが十分に期待できます。
メタバースゲームの重要性
また、メタバースの普及にとって重要なのがメタバースゲームです。
仮にVRデバイスが発達して現実のような仮想空間が体験できたとしても、そこで提供されるコンテンツが面白くなければ、メタバースで遊ぶ人は増えません。
メタバースで遊んでみたいという魅力が必要です。
メタバースで遊びたいと感じさせる魅力の1つがゲームです。
ゲームは多くの人が楽しむことのできる魅力的なコンテンツです。
例えば、ニンテンドースイッチ向けソフトの『あつまれ どうぶつの森』は累計で700万本以上売れています。
『あつまれ どうぶつの森』もメタバースゲームの1つと言われていますが、様々な仕事が生まれているのも面白いですね。
メタバースにゲームを組み合わせることで、より多くの人にメタバースを遊んでみたいと思ってもらうことができます。
実際に、『Roblox』や『FORTNITE』もメタバース要素があるゲームと言われますが、世界的に人気がありますね。
また、メタバースゲームには様々なものがあることも、期待できるポイントです。
メタバースゲームのおすすめは以下の記事で紹介しています。
>>【2022年版】メタバースゲームおすすめランキング10選【稼ぎ方も解説】
『どうぶつの森』に影響を受けているメタバース『My Neighbor Alice(マイネイバーアリス)』というゲームもあります。
>>【始め方・稼ぎ方は?】My Neighbor Alice(マイネイバーアリス)を解説
メタバースゲームは遊んで稼げるのも魅力の1つです。
まとめ:メタバースとセカンドライフの違いを知ろう
この記事では、次の内容をお伝えしました。
- セカンドライフはメタバースの1つ
- メタバースはテクノロジーの発達などにより将来性の期待大
- メタバース普及のカギはメタバースゲーム
メタバースとセカンドライフの大きな違いは、登場した時代です。
セカンドライフが流行し、廃れた2000年代と比べ、今はスマホやパソコンが普及し、SNSやインターネットショッピングの利用が当たり前になっています。
VR・3DCG・ブロックチェーン・AIなど、テクノロジーの進歩も凄まじいです。
今後、メタバースが日常の一部となっていく可能性は十分にあります。
市場規模が将来的に数百兆円になるという予想もあるので、今後が楽しみです。
メタバースの将来性に期待できるポイントは以下の記事でも解説しています。
興味がある方は、メタバースを体験してみるのもおすすめです。
>>【体験する?】メタバースのやり方・始め方[プラットフォームも紹介]
また、メタバースの将来性に期待している方は、メタバース投資を始めることもできます。
>>メタバース投資のやり方・始め方を分かりやすく解説【仮想通貨・土地・ゲーム】
メタバース関連の仮想通貨を紹介している記事もあるので、興味がある方はご覧ください。
>>【買い方も解説】メタバース関連の仮想通貨おすすめ銘柄を紹介
参照記事
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